日の出入
日の出の時刻は海抜零メートルにおける地平線に、太陽の上端が接して見える時刻で、また、日の入の時刻も同じく太陽の上端が地平線に接して見える時刻である。いずれも大気中の屈折によって実際よりも日の出は早く、日の入りは遅く見える。
わが国で日の出の最も早いのは夏至の凡そ七日前、最も遅いのは冬至の凡そ十五日後、また日の入の最も早いのは冬至の凡そ十五日前、最も遅いのは夏至の凡そ七日後である。土地の経度が東に一度進むごとに日の出入は凡そ四分進む、また日の出は緯度が北に一度進むごとに夏は凡そ三分進み、冬は凡そ三分遅くなる。
昼間・夜間
日の出から日の入までの長さを昼間(昼)、その余数、つまり日の入りから日の出までの長さを夜間(夜)とする。
昼間の最も長いのは夏至の日、最も短いのは冬至の日である。ただし、日の出入の計算法の関係から、昼間と夜間の長さの等しくなるのは、春分より凡そ三日前、秋分より凡そ三日後である。一般に昼・夜というときは、薄明・薄暮の時間(各凡そ三十六分)を加えたものである。
日の南中
太陽が真南、すなわち太陽の中心が南側の子午線上に来ることを指す。この時、太陽の高度は一日の中で最も高い。
北半球では、夏至の時南中高度が最も高くなり、冬至の時に最も低くなる。わが国では、東経一三五度の明石において平均太陽が南中する時を正午とする。
月の出入
月の出の時刻は、月の中心が地平線に接して見える時刻で、また月の入も同じく月の中心が地平線に接して見える時刻である。
月の出入の時刻は平均五十一分づつ遅れるが、これは季節や月の位置によって、凡そ二十分から八十分もの幅で大きく変化する。中秋の名月の頃の月の出は毎日二十五分程度であるが、反対に春の満月の頃は七十五分ほどになる。
月の南中
月の中心が南側に子午線上に来ることを指す。月の出入と同じく平均五十一分づつ遅れる。
朔弦望
太陽と月の視黄経、すなわち見かけの方角が等しくなった時が朔、月が太陽の東九〇度にある時が上弦、一八〇度離れた時が望(満月)、月が太陽の西九〇度にある時が下弦である。
朔弦望と月の出入の時間は一定の関係があり、朔には実際には見えないが、月は日の出頃出、日没頃没する。上弦には正午頃出、夜半に入、望には日没頃出、夜明頃に入、下弦には夜半に出て、昼頃に入となる。
潮汐
潮の干満は主として月の運動によって起こり、地形等によって大きな影響を受けるが、普通一日に二回の満潮と二回の干潮がある。
ある場所での月が南中してから次の干満までの平均時間は一定している。干満の差は普通、朔及び望の一、二日後の大潮の時が最も大きく、上弦及び下弦の一、二日後の小潮の時が最も小さい。