香道御家流宗家献香式を斎行致しました

令和8年3月22日

香道は14世紀に三條西さんじょうにし實隆さねたか志野しの宗信そうしんによって基礎が確立され、それぞれを始祖とした「御家流」と「志野流」を主流として今日まで連綿と継承され、香木を焚き、その香りを「聞く(鑑賞する)」日本固有の伝統芸能です。「御家流」は平安時代の公家の間で行われてきた和歌と香遊びを源流として優美さを尊び、蒔絵の香道具を用い、伸びやかな作法で香りや雰囲気を楽しむ貴族や公家の流派であり、一方「志野流」は武家を中心に広がり、木地の香道具を用い、簡素ながら厳かで武家の格式を重んじる流派と言われております。

当日は約40名の門人の方々のご参列のもと御家流23世宗家三條西さんじょうにし堯水ぎょうすい殿により献香の儀が行われ、後水尾天皇勅銘「桃源」の香を大崎八幡大神様に聞いていただきました。

後水尾天皇は学問や芸術に深い造詣を持ち、香道においては多くの香木に「千歳の秋」や「白菊」等の勅銘を与えられております。

 

香炉の灰に火筋(こじ)で箸目をつけ中心には穴をあけ、この熱で香木を香らせます。御宗家によって焚かれた香は大崎八幡大神様の大前に奉り、香を聞いていただきました。

献香していただいた後に、宗家、また、仙台市を中心に活動し、香文化の継承・普及を行っている「堯仙会ぎょうせんかい」のご代表に玉串拝礼を行っていただきました。

 

玉串拝礼

香りを媒体として嗅覚を主役とする芸術は現代においては「空間全体を体験する」芸術のひとつに分類され親しまれておりますが、歴史的・世界的に見ても視覚や聴覚ほど一般的ではありません。そのようななかで生まれた香道は日本人の繊細な美意識が生み出した文化と言えるでしょう。


献香式斎行後、社殿前にて記念写真を撮影いたしました

祭儀課 浅香

金華山黄金山神社に参拝して参りました

令和8年3月19日


屋根の銅板を葺き替えし新たな装いになった随神門を背景に、記念写真を撮影しました

令和8年3月19日、石巻市鮎川浜金華山に鎮座する金華山黄金山神社に宮司以下職員、職員子息の合計5名で参拝をして参りました。

金華山黄金山神社は天平21年に、陸奥の国守である百済王敬福が朝廷に黄金を献上したことに因み、天平勝宝2年に金を司る金山毘古神・金山毘賣神を奉祀し神社が創建されたことに始まるそうです。

神仏習合時代は 弁財天を守護神、別当寺を金華山大金寺とし多くの信仰を集め、女人禁制を敷いていました。金華山大金寺は、平泉の陸奥守藤原秀衡公、石巻城主葛西三郎清重公等による寄進を受け、荘厳美麗を極め、 東奥の三大霊場(出羽三山・恐山・金華山)として修験者が次々と来山し、金華山信仰が各地に広まっていったそうです。

また、金華山は、江ノ島・厳島・竹生島・天河と共に日本五大弁財天の霊地ともされ、天正の乱の兵火による焼失後も、成蔵坊長俊という僧により大金寺は再興され、祭祀が奉じられてきました。

その後、伊達政宗公を始め伊達家累代の熱心な崇敬のもと、年毎に隆盛が見られましたが、明治2年の神仏分離令により仏号を除き黄金山神社と復古し、女人禁制も解除されました。この際、御祭神も金山毘古神・金山毘賣神の二柱とし、頂上奥殿(奥ノ院)大海祇神社の御祭神に大綿津見神・市杵島姫神(仏号・弁財天)外二柱が奉祀され、現在に至ります。

金華山詣りには古くより参籠(おこもり)の風習が続いており、霊山の清らかな水の潔斎場で身を清め、翌朝に宮司以下全神職が奉仕する一番大護摩祈祷でお祓いを受け、身心の諸々の罪穢れを祓い清め、玉串を捧げて黄金山大神の御利益を授かろうとする熱心な信者たちが集います。

また弁財天の御使いが巳であることから、巳年が御縁年とされ、昨年は多くの参拝があり大層賑わいを見せたそうです。その令和7年乙巳歳御縁年大祭記念事業では、雨風・塩害にさらされた随神門の銅板屋根葺き替えを行ったそうで、春を迎えつつある境内に一際映えていました。

金華山黄金山神社と当宮には様々な違いはありますが、同じ別表神社という社格を持つ神社となっています。また、当宮宮司は学生時代に金華山黄金山神社の奥海睦名誉宮司(平成27年帰幽)に大変お世話になったそうで、それ以来長きにわたる公私の繋がりがございます。そして、東日本大震災後、多大な被害が出ていながらも中々復旧・復興が進んでいない金華山黄金山神社の状況に心を痛め、当宮からささやかなではありますが支援として、小型船舶とプレハブ小屋1棟を当宮より寄贈しました。


「おとひめ丸」 前宮司 奥海 睦名誉宮司が名づけ親です

この度は、前回の参拝の後、全世界に猛威を振るった新型コロナウイルス感染症の影響で長らく参拝に伺えていなかった事や、今年初めの挨拶も兼ねて、参拝に伺う事となりました。

参拝当日は、女川港からチャーター船に乗り金華山に向かいましたが、晴れているにも関わらず、かなり風が強い上に波が高く、予想以上の大揺れではありましたが、小一時間で金華山に到着しました。

揺れる桟橋を恐る恐る降りていきました 船が動き出すと…船酔いとの闘いが幕を開けました

金華山に到着し、黄金山神社の奥海宮司以下職員の皆様の出迎えがあり、祈祷殿にて正式参拝をさせて頂きました。

その後は西村禰宜の御案内で境内の説明を受け、豪華な昼食までご用意頂き、短い時間ではありましたが、金華山黄金山神社の参篭(おこもり)の一端を体験して参りました。


金華山黄金山神社独自の「いやさかの舞」

鯨のお刺身がついた豪華な昼食 金華山には鹿と猿が沢山生息しているそうです

金華山から女川港に戻る際も、船から金華山が見えなくなるくらいまでの見送りを頂き、金華山黄金山神社の奥海宮司以下職員の皆様の温かな気持ちに触れ、また参拝にお伺いしたいと強く思うような一時でした。この場をお借りして心より御礼申し上げます。

今後も同じ別表神社の一社として切磋琢磨し、宮城県内のみならず斯界の発展に寄与していけるよう社務に励んで参りたいと存じます。

祭儀課 浅香