人生儀礼というのは、通過儀礼とも呼ばれ、その人が生まれてから死ぬまでの間、或る段階ごとに行われる儀礼です。これには誕生・成年・結婚・病気・厄年・算賀・葬儀などの家庭生活上の儀礼と、これに対して社会生活上の入園式・入学式・入講式・入団式・入信式などがあります。しかも家庭生活上の個人的な儀礼といっても、人は社会的な存在ですから、その個人の通過儀礼といっても、多分に社会的な承認につながるものであることはいうまでもありません。したがって個人の儀礼でも、今ではその多くが社会儀礼となっています。たとえば出産一つを取り上げてみても、母親にとっては出産であっても、家族にとっては構成員がふえることであり、社会的には社会の構成員が増加するということになります。こうみてくると個人儀礼も社会儀礼であることがわかります。社会は個人儀礼に対して承認を与え、個人が社会の構成員として承認され、個人の通過儀礼が社会的儀礼ともなる訳です。ここに、個人→家庭→社会という連繋が見られます。さらに、たとえば初宮詣は氏神に対する報告で、それによって"氏子入り"をする意味があり、これが社会共同体の連帯を形造ることになります。今では学校の生活段階、すなわち入学式・入寮式・卒業式なども同様の意味を持った通過儀礼となっています。そして段階ごとに神社に詣で神主さんに祝詞をあげてもらうことは今まで無事であったことを神様に感謝し、これからも新たな御加護を頂けますように祈る大切な儀式であるということができます。

祝名 主旨
着帯日 妊娠五ヶ月の戌の日を選ぶ。岩田帯とも云い七尺五寸三分のさらし木綿などに紅で寿の字を書きます。
七夜の祝 生後七日目に行う。初めて名前をつけます。
お宮参り 男児は生後三十二日目、女児は三十三日目に氏神様にお参りして健全な成長を祈願します。(日どりは地方差があります。)
喰初め祝 生後百日目に喰初めをして祝う。男女により日数が違うところがあります。
初誕生 満一年目の誕生日を祝う。
初節句 生後初めての節句、男は端午の節句、女はひなまつりを祝う。但し生後二十一日前なら翌年に祝うのが普通とされています。
七五三祝 十一月十五日に男女共三歳を髪置、男五歳を袴着、女七歳を帯解の祝として氏神に参詣します。
入学卒業祝 小・中学校、高校大学等進学の祈願や卒業の祝い。
成人の祝 満二十歳の一月第二月曜日に行う。成人に達したことを自覚しみずからよき社会人として生きんことを祝いはげます。
就職の祝 一定の職業についたとき祝いはげます。
結婚式 人生の花であり家庭生活の土台となる大事な儀式です。厳粛によい実を結ぶよう祝福したいものです。それには神前で行うのが、もっともふさわしいでしょう。
厄年の祓 男四十二歳、女三十三歳などの厄年にあたるとき神社で厄年祓をします。厄年とは、一つの人生のくぎり目とも考えられます。大いに自重し一層の発展を祈願して祝います。
銀婚式 結婚後満二十五年目の祝。
金婚式 結婚式後五十年目の祝。
還暦の祝 六十一歳の干支還りを祝う。
古稀の祝 七十歳の祝。
喜寿の祝 七十七歳の祝。
傘寿又は中寿の祝 八十歳の祝。
米寿の祝 八十八歳の祝。
卒寿の祝 九十歳の祝。
白寿の祝 九十九歳の祝。
上寿の祝 百歳の祝。