63号 「鳥居」について
年末の八幡宮では空気の澄んだ冬空に赤く灯された提灯、15mを超真っ赤な鳥居が参拝者の方々を出迎える。この光景を見ると年の瀬を迎えたと感じる。その八幡宮のシンボルともいえる「鳥居」についてお話していきたい。
「鳥居」には様々な起源があるとされている。『古事記』においては天照大御神が天石戸にお籠りになられた際に天照大御神を出現させる為、横木に常世の長鳴鳥(鶏)を止まらせて鳴かせたという説、「通り入る」という言葉が転化して「とりい」となった説。人々が竪穴式住居で生活をしていた時代、位の高い「神」の住まいと人々の住まいが同じ空間であることは不敬であり、それぞれの空間の間に境界を設けた説。
また、日本の起源だけでなく、外国起源とする説もあり、古代インドでは塔門を(Torana)を「トーラナ」と呼んだことから、その門と形が鳥居に類似するため、鳥居の起源とする説など様々な鳥居の説があり「鳥居」というこの語源に定説はない。
この長い歴史の中で「鳥居」には様々な「系統」があるのはご存じだろうか。「鳥居」の系統は大きく分けて2種類あり、「神明鳥居」と「明神鳥居」の2つに分けられる。「神明鳥居」は笠木と呼ばれる鳥居上部の横に連なっている木に反りがないものであり、「明神鳥居」では鳥居上部の笠木の下に島木と呼ばれるものがついており、当宮にある鳥居はすべて明神鳥居と呼ばれるものとなっている。
「鳥居」の材質も様々なものがあり、木製や石材、鉄筋コンクリート、チタン、陶器などで作られたものなどがあり、同じ系統の「鳥居」でも様々な姿を見ること ができる。
「鳥居」は神聖な場所と私たちの住む世界の境界の役割を持っている。ぜひお参りの際は一礼してからお参りしたい。
Q何故、鳥居は赤色が多いのですか
A古来より朱色(赤色)は太陽や炎など生命力を表すもの、また魔除けの色として考えられておりました。塗料の一種で「丹」というものがあり原料は硫化水銀でありますが、この硫化水銀が防虫剤としての役目もあったため。そこから虫を避ける↓魔を避けるに転じたとも言われています。
Q日本で1番大きい鳥居は何メートルありますか
A令和6年現在、日本で1番大きい鳥居は和歌山県にある熊野本宮大社の鳥居で高さが33.9mもの大きさになります。次に大きい鳥居は奈良県の大神神社で32.2mであり、平成12年に熊野本宮大社の鳥居が建立されるまでは1番大きい鳥居でありました。3番目に大きいのは新潟県の弥彦神社であり30.2mのものとなっております。30mを超す鳥居はこの3基のみとなっております。