46号
鳩の声
「そなえよつねに」 ~Be Prepared~
ボーイスカウトのモットーで、物質的なことだけに限らず精神的にも非常事態に常に備えることとされています。日本のみならず、多くの国々のスカウト達もこのモットーが基本となっていて、自分だけでなく他の人の分までも常日頃から準備を怠らない事や、急な災厄に見舞われても、動じずに対応する強さを求められていて、100年以上も変わることのない精神といわれております。
ボーイスカウトの創始者ロバート・ベーデン・パウエル(B-P)は1857年2月22日にイギリスはロンドンに生まれ、少年時代には自然の中で遊ぶことを得意とし、19歳になってイギリス陸軍に入り、斥候術や地図作成などを学ぶことになります。軍においての斥候術(スカウト)とは、戦線最前線に出ていき索敵の後、無事に戻ってその様子を司令官に報告する、賢く勇気のある兵士にしか務まらない重要な役割だったようです。1900年、イギリスとオランダの移民との間に戦争が起こり、B-Pは大勢の敵に包囲された街を少数で守り抜いてイギリスの英雄となり、最年少の少尉となりました。その後、自身の軍活動の経験を生かして書き下ろした「斥候の手引」は意外なことに、兵士よりも好奇心旺盛な子供たちに大変喜ばれました。そこでB-Pは野外活動を正しく子供たちに教える機会として、キャンプをブラウンシー島で行いました。この体験を基礎としてスカウトの手引書となる本「スカウティング・フォア・ボーイズ」を発行し、その影響によりボーイスカウト運動は世界中に広がって受け継がれていきます。
やがて日本にもその運動が伝わり、東京や大阪などで少年団として発足し大正5年に日本初のスカウトキャンプが行われました。その頃、スカウト運動の組織作りも行われ、当時の内務大臣、後藤新平を初代総長に迎え全国各地に展開していきます。「人のお世話にならぬよう、人のお世話をするよう、そしてむくいを求めぬよう」と自治の三訣と呼ばれる後藤総長のこの言葉は、自治こそ生活の根本であるとして、今も日本のスカウト達に影響をあたえています。現在、スカウト運動の目的や教育は世界共通で、名称も「ボーイスカウト」と世界で呼ばれていて、人種・宗教・言語などあらゆる違いを越えてまた違いを認め合って青少年の友愛を深めることを目指しています。子供たちはスカウト団に入隊する際、「ちかい」をたてます。この「ちかい」はスカウトの基本的な行動規範を示したものであり、自身の名誉にかけて自発的に実行していくことを誓います。その「ちかい」の1条目に「神と国とに誠を尽くしおきてを守ります。」とあり、スカウトは明確な信仰を持つことが奨励されております。
神社界においても全国のスカウト団をバックアップする立場にあり、各地の神社では団の育成をお手伝いしています。この夏、神都・伊勢の地を舞台に「第12回神社スカウト全国大会」が開催され、全国の少年少女たちが一堂に集って伊勢神宮の杜にふれ、自然に感動する心や仲間と協力する心を育み友愛を深める予定でおり、八幡宮のユニフォーム姿の小鳩たちも参加を楽しみにしています。
東日本大震災より5年が経過し、災害に対する緊張感が無くなりつつありますが、近年の各地の地震を始め、自然災害や異常気象などに対し「そなえよつねに」でいたいものです。
八幡宮Q&A
Q:最近境内各所で整備工事が行われているようですが、何の事業を行っているのですか?
A:
当宮は本年「御鎮座以来四百壱拾年」を迎えることから、境内整備事業を行っており北参道舗装工事、表参道手水舎建築工事、自動車祓所並びに駐車場管理詰所建築設置工事については昨年10月から12月にかけて工事を行い無事竣工しました。北参道は元々土の道でしたが悪天候により足下が悪くなる為、皆様方が安心して参拝できるよう舗装工事を行いました。。また、ドアや襖の上など人の出入りのあます。
表参道に設置した手水舎は、より多くの参拝者に御利用頂けるよう東西両側から手水が取れるように設置しました。
手水舎の起源は神域に訪れる際、河川や湧き水で身を清めていましたが、時代の変化に伴い手水舎が代わりに設置されるようになりました。
自動車祓所は以前には長床前の馬場に場所を設けていたのですが、駐車場へ移動して設置したので交通安全を祈願される際は駐車場自動車祓所に駐車頂くようになります。また管理詰所は新たに祓所脇に設置し車椅子を準備してご自由にお使い頂けるようにしています。
今後の事業としては参拝者用多機能御手洗建築工事、また創建当初より護り続けてきた御社殿の内部彩色の剥離防止剤として採用された「膠(にかわ)」の接着力、剥離状態が著しい為、来年度には「御社殿内部剥落止め工事」を計画しております。