41号

鳩の声

平成25年神無月、伊勢神宮では【第62回神宮式年遷宮】が斎行されました。
20年に一度行われるわが国最大の大祭「式年」とは、定められた年を意味しており「遷宮」とは、社殿を新しく造り、大御神にお遷りいただく神事を言います。
神宮には内宮・外宮ともにそれぞれ同じ広さの敷地があり、20年ごとに同じ形の社殿を交互に新しく造り替えます。
また約800種類、1600点もあるという神様の御装束神宝も新しくされます。
それではなぜ20年に一度遷宮を行う必要があるのでしょうか。
それについてはさまざまな諸説があり、「神宮の社殿は桧の素木造りで屋根が茅葺きであるため、常に清々しい姿を保つには20年を限度として建て替える必要がある」「御装束神宝を新調する工匠や宮大工たちのなどの伝統技術を次世代に伝承するには20年が適当である」「昔は20年を満数といって、20年経てばすべてが初めに戻るという考え方があった」「古代日本の経済を支えた稲(乾かした飯)の貯蔵年限が20年であったから」など、理由が次々と浮かび上がりますが、決定的な定説はないようです。
式年遷宮に伴い伊勢神宮では7月~9月初旬まで【お白石持ち行事】という神事が斎行されました。お白石持ち行事とは、内宮と外宮の御正殿のまわりに敷き詰められる手のひらに乗る大きさの白い石を一人が一つ頂いて御正殿のまわりに奉献する行事です。
その行事が終わると次の遷宮までの20年間、そこへ入ることが出来ないのです。
お白石持ち行事は、国の「記録作成等の措置を講ずべき無形の民俗文化財」としており、また伊勢市の「無形民俗文化財」として指定されております。
この行事では、伊勢市内の地区ごとに結成した奉献団77団体の約8万人が参加し、このほかに全国の神社を通じて募集した7万3千人が「特別神領民」として参加しました。当宮の職員も8月18日から20日にお白石持ち行事に参加させて頂きました。
何万人もの神領民が静かに長い列をつくって順番に正殿のまわりにお白石を一つ一つ置いていきます。参加した職員は20年に一度ということもあり、御正殿を間近に仰ぎながら奉献できるお白石持ち行事を終え、とても貴重な体験をすることができ、その表情は喜びにあふれていました。
伊勢神宮でいただいた、たくさんのパワーを糧に、小鳩たちは日々の奉仕に励んでおります。

八幡宮Q&A

Q:お正月さまについて教えてください。

A:お正月さまは年神さまともいい、一年の初めにお迎えし、旧年の豊作と平穏を感謝し、今年の豊穣と平和をお祈りする神様です。
さまの年は「稔」と通じ、稲が実って一巡する期間を年といいます。
トシ(稲の稔り)をもたらす神または稲作を守る神さまとして、信仰されてきました。また陰陽道の考え方では歳徳神といって、元旦に恵方から人間の世界にやってくるとされており、一年中の方位を司る神さまです。この神さまに向かって進路を開けば万事大吉とされています。このふたつの神さまの御神徳が合わさりお正月さまとして信仰されています。特に宮城県では、六柱の神さまの「御神像」をお正月さまとして、広くお祭りしています。

【大年神】年の始めに祭る神様で、歳神さま・正月さまとも言います。一年間、家内安全・身体堅固をお守りくださる「福の神」としてお祭りします。

【五穀豊穣】食物を司る宇迦御魂神であり、特に「稲霊神」としてお祭りします。人の生活に欠かすことのできない食物の神さまです。

【大国主神】ダイコクさまともいわれ、災いを退け人々の結びつきを取り持つ神さまです。ご家庭や職場・地域、広くは国土の発展を司る神さまです。

【事代主神】エビスさまともいわれ、元々は海の外から来た神さまです。「漁業の守り神」として信仰され、「大漁・航海安全」ひいては「商売繁盛」の神さまとしてお祭りしています。

【奥津彦神・奥津姫神】かまどの神さまです。竈神さまともいわれています。竈(台所)を守り食事によって、家や家族を守ってくださいます。

一般に神棚に貼ってお祭りしますが、竈神さまは台所にお祭りします。お祭りの仕方は各ご家庭や地域の習慣によってお祭りされてもかまいません。