■39号
鳩の声 我が国の総氏神様である天照大御神をお祀りする伊勢神宮では、平成25年に「第62回 伊勢神宮式年遷宮」が執り行われます。御遷宮は今から1300年前、持統天皇の時代に始まったといわれており、戦国時代に一時中断はあったそうですが、今回の御遷宮で第62回目となります。
1300年の間、延々と続けられてきた式年遷宮は20年に1度の大儀です。20年に1回、伊勢神宮の内宮・外宮の御正殿を始め、摂社・末社・所管社125社の全てのお社が建て替えられます。そして御造営が進んで平成24年から御正殿の造営に際して次々とお祭りが続きます。
平成25年の8月、「お白石持行事」が行われます。お白石持行事は、本来は神領民(しんりょうみん、伊勢神宮の氏子の人々)だけの行事でしたが、国民こぞっての奉仕の誠を捧げるという意味で、前々回、昭和48年の第60回の遷宮から一般の人々も奉仕できるようになり、一連の遷宮諸行事のひとつであり、新しい御正殿の敷地にお白石を敷き詰め奉献する行事であります。
国民の一人一人が直接参加できる行事、お白石持の歴史は、550年以上前にさかのぼるとされています。古文書に、1462年、内宮の第40回式年遷宮から始まったとあります。
一人ひとりが白布に「お白石」を包み、遷宮後は立ち入ることの出来ない新宮の御垣内、真新しい御正殿の近くまで進み、持参した「お白石」を奉献する行事です。
お白石持行事は、お白石という“石”を拾うことから始まります。
奉献するお白石は、紀伊山系の大台ケ原を源とする宮川流域で拾います。宮川は、日本有数の多雨地帯である大台山系を源流とし、大内山川などの支流と合流して、伊勢湾に注いでいます。三重県内を流れる川では最大の河川です。
各町奉献団それぞれが、お白石実施年度の2〜3年前より宮川に出向き、拾い集めて準備を始めます。集めたお白石は平成25年の奉献まで、各町の清浄な場所で大切に保管されます。場所は氏神の境内や、公民館の清浄な一角に注連縄を張って奉安するそうです。お白石は水晶のように少し透明感のある石肌を持つのが特徴です。
伊勢神宮の御社殿の周りの御垣内には、白い石と黒い石がびっしりと敷き詰められています。白い石を「お白石」、黒い自然の色をした石を「清石」と言います。
前回のお白石持行事は、平成5年7月31日から8月19日までが内宮で、8月21日から30日までが外宮で行われました。奉献者は内宮が8万人以上、外宮が7万人以上で、一日の参拝者も5万7千人。合計で約21万人が参加しました。
伊勢の人々は昔から、お白石持行事に参加することは「一門の光栄、一町の特権」と喜んだそうです。お木曳の場合と同様に、白石音頭や道歌を歌いながら二見浦に浜参宮し、奉納が無事に終われば町内揃って内宮・外宮にお礼参りをします。
一般の参拝者が御垣内の奥深く立ち入ることができるのは20年に1度。この機会を逃すまいと全国の崇敬者たちは絶え間なく集まります。伊勢神宮へ足を運んだことがない方も、この機会に是非参拝されてみてはいかがでしょうか。
八幡さまの小鳩たちも、伊勢神宮へ羽ばたく準備を始め、神明奉仕に励んでおります。
八幡宮Q&A
Q:大崎八幡宮では幻の魚【鉄魚】を飼っていると聞きましたが、鉄魚とはどのような魚なのでしょうか。
A:鉄魚とは体の各ヒレが長いフナ類のことで日本各地で見つかっています。
鉄魚の生まれた理由は昔からフナの突然変異であると言われたり、フナと金魚の雑種が原因とも言われてきました。一見金魚に似ていますが、鼻孔間のしきり部分に伸びて複雑なシワをなしています。各部のヒレが極端に長く、特に尾ヒレが長いのが特徴であります。成魚は体長20〜30
cm位にもなります。
実験では、フナと金魚を一緒に繁殖させると、鉄魚に似た魚が生まれることが分かっています。また、金魚の古い品質のひとつに鉄魚と呼ばれることがありました。
宮城県が実施した魚取沼(ゆとりぬま)の調査で鉄魚の染色体を調べました。その結果魚取沼の鉄魚は、キンブナであることが確かめられました。全体的に黒サビ色をしているため【鉄魚】(てつぎょ)と命名されています。他にも赤・白・黄・水色と多彩であります。
そして昭和8年に国の天然記念物に指定されました。
大変貴重な存在の魚ですので、ご参拝の際は是非ご覧いただければと思います。