■38号
鳩の声 東日本大震災から早くも1年が経過しましたが、今尚、被災地へ全国各地の皆様から多くのご支援をいただき、復興に向け一歩一歩着実に歩みを進めていると感じております。
当宮におきましても、全国の神社界を始め氏子崇敬者の方々からの支援物資の配送やNPO法人「難民を助ける会」のコンテナハウスプロジェクトに協力をし、仮設住居や事務所や商店等になる輸入コンテナハウスの保管・搬送・組立設置、また沿岸部被災神社へのプレハブハウス寄贈、瓦礫撤去、仮設住宅への炊き出しなど、微力ながらも被災地支援を行なってまいりました。
私たちは、本年を「復興元年」と位置付け、神社の氏子社会を通じて、震災後崩壊しつつある被災地域のコミュニティ再興に少しでもお力添えが出来ればと思慮し、引き続き支援活動に取り組んでまいりたいと考えております。 神社には多くの木々があり、「鎮守の杜」と呼ばれております。古来、鎮守の杜では何かあるとそこに村の人たちが集まりお祭りをする場所であり共同体の中心となる場でありまして今現在、神社の役割の1つとして変わる事はないと確信しています。
当宮では、初宮詣、厄祓等のご祈祷された参拝者に撤下品として「海苔」をお下げしています。この海苔は被災地域である東松島市宮戸島の月浜にて生産されたものです。 震災前、約40世帯あった月浜地区では、11世帯が海苔養殖に従事していました。秋から春にかけて1世帯で1日4〜5万枚を生産しておりましたが、津波の被害により壊滅的打撃を受け、海苔の養殖施設が損壊し、個人での再建が困難となりました。
そうした中、7家族8名の海苔生産者の皆様は「月浜の光は俺たちが取り戻す」という強い思いを込め、生産再開に向け心をひとつにするため、共同生産グループ「月光」(げっこう)を立ち上げました。月光プロジェクトの皆様は、“この地を守るためこの地に残り、この地で生きるためこの地で海苔養殖を再開し、この地の素晴らしさを知ってもらいたい”その一心で固い絆で結ばれています。 そして、海苔養殖業の生産再開に向け、東奔西走しています。しかしながら現実は再建が難しく皆様のご支援が必要だと考えました。そこで「月光の太陽。一口オーナー」を募集しております。「月光」には月浜地区に光を取り戻すという意味合いも込められておりますが、皆様の支援を【太陽】として、その光を受け、反映して光り輝きたい、反映を繁栄に変えていきたい、という願いが込められているそうです。皆様のご支援をいただくことで、復興へと前進することが出来るでしょう。
ご関心をお持ち下さった方は、「月光プロジェクト」へのご協力ご支援頂ければ幸いです。またホームページもございますので是非ご覧下さい。 伊達政宗公は、心の平穏と領国の安寧を獲得するための祈りの場として、大崎八幡宮を創建されました。神社という場所は、心・精神の安寧を祈り続ける場所であり、この場所に人々が集まることで、新たな「絆」が結ばれていく場所でなければなりません。震災後、「絆」という思いやりの心があると改めて実感することができました。 皆様と共に、被災地が1日も早く復興を迎えられますことを祈りながら、小鳩たちは神明奉仕に励んでまいります。
≪奥松島月浜海苔生産グループ 月光プロジェクト≫ https://www.gekkou7.jp/support/index.html
八幡宮Q&A
Q:神社でよく見かける狛犬について教えてください。
A:神社の社殿前や参道などに置かれた一対の獅子形の像が狛犬です。高麗犬、古麻犬とも表記します。
狛犬は、邪気を祓い、神前守護の意味をもつものとされており、玉を持っているものや、子を従えているものなどさまざまなものがあります。材質は主に石が多いですが、銅、鉄、木、陶製のものもあります。
一対の関係は雄雌が代表的ですが、一方に角を生やし像にしたもの、又、一方が口を開け、他方が閉じるといういわゆる「阿吽」(あうん)のものが一般的です。「阿吽」とは呼吸をそろえて行動しているさまをいいますが、仏教発祥のインドのサンスクリット語では宇宙の始まりと終わりを表すとされています。
狛犬の起源については、エジプトやインドにあるとされています。日本へはシルクロードを通り中国から朝鮮半島の高麗を経て日本に伝わったために、外来の犬という意味で高麗犬と呼ばれるようになりました。もともと狛犬は、魔除けの力をもつものとして、天皇がいらっしゃる宮中で几帳(布製の間仕切り)や御簾(布のとばり)の裾を押さえる木製の重しとして用いられていました。それが神社や寺院でも使われるようになり、社殿前や参道に置かれるようになっていきました。
神社により犬だけではなく、別の動物の像も見つけることができます。例えば、お稲荷さんの狐や天神さんの牛、八幡さまの鳩などです。これは祀られている神様の使いです。動物が神意を伝えるという話は、「古事記」などにも見られます。特別の存在である神の使いは、ご祭神となんらかの縁故で繋がっています。
以上のように狛犬にはさまざまな由来、意味があります。そのようなことを気に掛けながら参拝されてみてはいかがでしょうか。